「母になる」第9話 6月7日(水)放送

【第8話のあらすじ】

悩んだ末、広に、2年前何があったか、施設に預けられた理由を話す結衣と陽一。

それを麻子に報告している時、広が学校に来ていないという連絡が来た。

広はどんな気持ちなのか?一緒にいた女の子は??

 

今回の出演キャスト

結衣/沢尻エリカ

広の生みの親で、3歳まで広と暮らしていた。正直で、まっすぐな性格。いなくなった広の事をずっと想い、陽一と離婚後も一人働きながら1人でひっそり暮らしていたが、広が帰ってきた事により空白の9年間を一生懸命埋めようと努力する。

柏崎陽一/藤木直人

結衣の夫で、広の父親。大学の准教授だったが、広がいなくなった後、結衣とは離婚し引きこもっていた。しかし、広が帰ってきた事をきっかけに家族の絆を再認識し、家族再生へと家業の柏崎オートで働き始める。

柏崎広/道枝駿佑

結衣と陽一の子供。3歳の時に誘拐され、2年前から児童養護施設に預けられ、13歳の時に結衣と陽一の子供とわかり、一緒に暮らす様になる。生みの母親と育ての母親との間で揺れ動き、複雑な気持ちを抱えながらも明るく振る舞う。

門倉麻子/小池栄子

誘拐された広を発見し、その後7年間広を実の子の様に育てる。刑に服した過去がある。広が実の母親の所で暮らすと知り、思いを断ち切ろうとするが、なかなか断ち切れず苦悩する。

木野愁平/中島裕翔

児童相談所の児童福祉士。広が結衣と陽一の子供である事を調べ、以前の家族関係が取り戻せる様に相談に乗りながら尽力する。幼い頃友人を亡くした経験を持つ。

柏崎里恵/風吹ジュン

陽一の母で、柏崎オートの社長。広が帰ってきて再び家族での生活が始まった事を喜び、応援している。

緒野琴音/髙橋メアリージュン

家出後、里恵に拾われて柏崎オートで働いている。柏崎家を大切に思っていて、ずっと支えている。

西原莉沙子/板谷由香

広が誘拐された時も一緒だった結衣の友人で、ずっと結衣を見守り、支えている。ヘアメイクの仕事をしていて、仕事が大好きなあまり良い母親になれず、悩んでいる。

西原太治/浅野和之

大学教授で、陽一の元上司。莉沙子の夫。ずっと陽一達を心配し、面倒を見ている。家庭では莉沙子が母親らしくない事に不満を持ちながらも家族を大切にしている。

西原繭/藤澤遥

莉沙子と太治の子供。広とは幼稚園も学校も一緒の同級生。

「母になる」第9話のネタバレ

学校に行っていない広(道枝駿佑)の電話に出たのは女子高生。広に代わると、「学校をサボったのは悪かった、でも心配する事は何もないから、大丈夫、大丈夫。」って言ってたと、結衣(沢尻エリカ)は麻子(小池栄子)に話す。「大丈夫じゃないでしょう。」と麻子。でも、広の無事にちょっとホッとしたのか、「電話の声女だっ!」、「若かった!」、「広ちゃんの携帯ですけど何ですかって!」、「何なのあれ!」、と2人は盛り上がる。その状況に、我に返った結衣。

結衣 「門倉さんには関係ない事ですから。」

麻子 「関係ない事?」

結衣 「言いましたよね。今後の事はすべて任せてくださいと。とにかく、今日あなたとお会いしたのは、これでおしまいにする為です。私はあなたともう二度と会いたくありません。正直言って顔も見たくありません。私の前から一生消えて欲しい、そう思っています。今後、一切関わらないでください。お願いします。」

と結衣は頭を下げる。

 

家に帰って色々考えている様子の結衣。結衣の携帯が鳴る。里恵(風吹ジュン)が陽一(藤木直人)から、広が学校をサボって逢い引きしていたと聞いて電話をしてきたのだ。逢い引きというか、公園で待ち合わせて、そのあと図書館に行って勉強するつもりだったって本人が言っている、と言う結衣に「何の勉強なんだか。相手がどういう子なのか聞いても黙っているって言うじゃない。陽一も薄々感づいていたのかあまり騒ぎ立てるなって言うのよ。」結衣も「陽一さんがいつも使っているミントウォッシュの減りが早かったり、部屋に居るときの様子も何か怪しかったりとか。私全然気付かなくて。ミントウォッシュは以前は使ってなかったのに急に使い始めたみたいなんです。口内洗浄液。えっ、何で急に口の中を綺麗に?そう言う事?まさか、違う違う。違いますよね?」と、話しながら動揺する結衣。

 

里恵 「みんなで話し合いましょ。」

結衣 「でも、騒ぎ立てるなって。」

里恵 「可愛い孫の一大事よ。放っとけますか。家族会議よ。」

 

琴音(髙橋メアリージュン)と喫茶店で話をする麻子。

麻子 「あの子は私の事忘れてないってどこかで信じていたのかもしれません。私が突き放した事も、何か大人の事情があってそうしたんだろうって。そう言う気遣いの出来る優しい所があるから。だから二年前の事件も知って欲しくなかったんです。あの子がショックを受けると思ったから。」

琴音 「だーかーらー、ショックなんて受けてなかったでしょ。母親より女の子に目が行く年頃だもんねー。あんたさ、自分でも自分の事よくわかっていないんじゃない?」

麻子 「そんなこと。。。」

琴音 「どうでも良いけど、住む所も働く所もまだ決まってなくて、いつまでフラフラしてるつもり?いい加減現実見たら?」

そして琴音は麻子に『紹介状』と書いた封筒を手渡す。

陽一が広に家族会議の事を伝えると、広は嫌がる。

 

居間には里恵の他に琴音、莉沙子(板谷由香)、太治(浅野和之)、繭(藤澤遥)も来ていた。陽一の事でも過去三回家族会議をした事があると話す里恵。柏崎オートの従業員2人と木野(中島裕翔)もやってきて、結衣は驚く。里恵が招集したのだ。結衣は里恵を呼び出し、『家族』の会議ではないのか?と聞くと、「みんな家族のようなもんじゃない。陽一の時もそうしてたんだけど、広ちゃんの時も知ってる人、関わった人みんなに声を掛けたのよ。」と里恵。

結衣 「もしかして、あの人も?」

里恵 「あの人?」

結衣 「門倉さん。」

里恵 「呼ばない、ない。そんな事したら困るでしょ。あの人は家族じゃないから。」

二階から陽一と広が降りてくる。

 

太治 「恋は良いよー、恋は。人生を彩り豊かにしてくれる。たとえその恋が上手く行かなかったとしても。いいか、失恋は新しい自分の始まり。どんなに優秀な人工知能でも人間の恋心だけは予測不能、制御不能だからな。広君の恋心も、もはや誰にも止められない。」

太治は繭の方を見て話している。

木野 「あの、恋バナじゃなくて、学校をサボったと言う話ですよね。」

琴音 「学校をサボって彼女と居たって言う話。」

従業員「この前一緒にいた」「あー、あの可愛い!」

結衣 「知ってるの?」

従業員「はい。見かけた事あるんで。」

繭  「私も見たよ。名前も知ってる。」

結衣 「知ってるの?」

繭  「モモちゃんとか言ってた。」

木野 「モモちゃんて、誰それ。いつの間にそんな。」

広  「そういうんじゃないから。」

結衣 「そういうんじゃないの?」

木野 「そういうんじゃないに決まってるよな。」

里恵 「木野さん、落ち着いて。」

広  「つーか、通りすがりの知らないJKだし。」

結衣 「じぇーけー?」

木野 「女子高生。、、、えっ!女子高生??」

陽一 「通りすがりの知らない女子高生と一緒に居て、それで学校サボったなんておかしいだろ。ばあばが何を心配したかわかっているだろ。」

里恵 「そうよ。何で学校をサボったのか、っていう事よ。何か理由があるんだったら話してごらん。」

広は黙り込む。陽一が促すと、

広 「黙ってサボるような事はもうしないから。ごめんね、ばあば。お母さんにも言ったけど、もう心配するような事は何もないから。ホント大丈夫大丈夫。もうさぁ、ホント大丈夫だから。」

広は立ち上がり、「お騒がせしてすみませんでした。」と頭を下げる。

結衣の顔を心配そうに見つめる里恵。

 

家族会議がお開きになり、結衣が片付けをしていると里恵の忘れ物のストールが。慌てて外に出て追いかけようとすると、話し声が聞こえてきた。

琴音 「結局どういう事なのかよくわかんなかったですね。でもいいのか。」

里恵 「うん。いいのいいの。今日の家族会議はね、広の為と言うよりは結衣ちゃんの為だから。広に何かあったらああやってみんな集まって色々話してくれる人がいるっていうこと、結衣ちゃんは1人じゃない、そういう事を知って欲しかったの。大体1人で子育てなんて出来る訳ないのよ。」

琴音 「でも里恵さん、ご主人亡くしてからずっと一人だったじゃないですか。」

里恵 「だからこそよ。周りの人にこうやって色々と助けてもらわないとやってられなかったわよ。母親が何もかも背負う事はないの。1人で抱える事ないの。」

結衣 「はい!」

驚き振り向く2人。

結衣 「私の為だったんですね。ありがとうございました。」

結衣は忘れ物のストールを渡し、3人で笑い合う。

琴音 「そうそう、門倉麻子さん、居なくなりますよ。働き口紹介したんで。」

里恵 「琴音ちゃん顔広いから。」

琴音 「奥能登の小さな旅館。東京から離れた方が良い。あの人にとっても、柏崎家にとっても。遠くに行った方が良い。私がそう言ったら頷いてましたよ。」

結衣 「そうなんだ。」

琴音 「だから、来週辺りかなぁ。東京から居なくなりますよ。」

結衣はホッとしつつも複雑そうな表情。

琴音 「良かったんですよね??」

結衣 「もちろん!助かる。助かります。ありがとう。」

と笑顔で頭を下げる。

 

麻子は1人定食屋で、琴音から渡された紹介状を手に考え込む。

 

川沿いで広が誰かを待っている。そこに現れたのは、女子高生のももだった。

モモ 「よっ!」

広  「よっ!」

モモ 「元気?」

広  「元気」

モモ 「今日はちゃんと学校行ったんだね。」

広  「そっちは?」

モモ 「私は、、、変わらず。」

広  「そう。」

モモ 「で?呼ばれたから来たんだけど。」

広  「花火大会どうする?」

モモ 「あー、花火大会ね。。。」

広  「行きたいって言ってたからさ。」

モモ 「どうしよっかな、、、後で連絡する。」

広  「おう。じゃ後で連絡して。待ってる、じゃあな。」

モモ 「えっ?もう帰っちゃうの?」

広  「じゃぁ、、、」

モモ 「わかった。じゃあね。」

と言い2人は別れ、別の方向に歩いて行く、が広だけ振り向く。

 

広が帰ってくると慌てて出迎える結衣。しかし、広は結衣の方は見ず、携帯を見たまま「ただいま。」とだけ言い、二階に上っていく。自分の部屋に入っても携帯を見たまま行ったり来たり落ち着かない様子の広。そして、大きなため息をつく。広の様子が気になった結衣は二階に行き、広の部屋のドアの前で聞き耳を立てる。広は何度も携帯を確認するがまだ連絡が来ず、再び大きなため息をつく。結衣はそんな広が気になって仕方がない。その時、広の携帯が鳴った。広は思わず「はい!」と言い携帯を手に取る。結衣は部屋に入りたい気持ちを何とか我慢する。モモからの花火大会オッケーのメールだった。メールで、一緒に行こうと言われ、広は何度も「やったー!」と叫ぶ。そして、「お母さん!」と言いながら部屋から出てくるので、慌てて下に降りる結衣。

広  「お母さん、明日花火大会あるだろ。」

結衣 「あー、花火大会!行こ行こ!」

広  「いや、行くけど、お母さんとじゃなくて、、、行くんで。いいかな?」

結衣 「あっ、お弁当箱出して。お弁当箱。」

広  「あっ、忘れてた。ゴメン。」

と、広は急いでお弁当箱を取りに二階に上がっていく。

結衣は「あー、モモちゃんかぁ。クソッ、クソッ。」と、持っていたお玉を振り回しす。

 

広は陽一にも花火大会に行っても良いか尋ねる。その広の後ろで結衣はダメ、ダメ!と陽一にジェスチャーを送る。

陽一 「うーん、いいんじゃない。でも8時までには帰ってこい。」

広  「8時?無理無理。10時10時。」

陽一 「8時!」

広  「10時!」

結衣 「5時!」

広  「5時はまだ花火上がんないし。」

しまったという顔をする結衣。

広  「8時だと花火全部見れないじゃん。花火は7時からだから、ね、お母さん。」

陽一 「全部見てたら遅くなるだろ。帰りも混雑するし、途中で切り上げて、中学生なんだから8時!時間厳守。」

結衣 「8時だって。」

広  「8時かぁ。」

 

経理の仕事をする陽一。そこに結衣が来て隣に座る。

結衣 「あー、陽ちゃーん、世界が急に変わった。取り巻く世界が別世界になった。」

陽一 「大げさな。」

結衣 「本当!だって、本当に思ってもみなかったんだもん。広にそういう相手が現れるなんて。」

陽一 「3歳の時もあったでしょ。幼稚園で、繭ちゃんだーい好きって。」

結衣 「その頃の好きと今の好きは種類が違う。今の好きは何か広が遠くに行っちゃう感じ。」

陽一 「遠くかぁ。。。あっ、そう言えば、門倉さん遠くに行くって聞いた?」

結衣 「東京を離れるって話。決まったのかなぁ。」

陽一 「決まったら、広には話した方が良いな。」

結衣 「そうかな。」

陽一 「まぁ、今はモモちゃんで頭いっぱいだろうけど。」

結衣 「モモちゃんかぁ。どんな子だろ。」

 

次の日、浴衣を着たモモが柏崎オートの外で広を待つ。結衣はドア陰からチラッと見て一度家に入る。そして自分に気合いを入れ、にこやかに外に出て行く。

結衣 「お待たせしてます。広の母です。」

モモ 「こんにちは。里中です。」

結衣 「里中、、、モモちゃん?」

モモ 「そうです。モモです。」

そして2人は微笑み合う。

結衣 「遅いなぁ。ちょっと見てきますね。」

そう言うと広の部屋に行き、「待ってるよ。」と言うと、広は下に降りていく。陽一は「忘れ物!」と言って広に携帯用のミントウォッシュを手渡す。「必要?それ必要かな?花火見るのに必要かな?」と聞く結衣に、陽一も広も「エチケット!」と返す。

陽一 「初めてだからって浮かれない様にな。」

広  「別に浮かれてるなんて、、、俺初めてじゃないし。」

「えっ?」と驚く結衣を残し、広は「行ってきまーす!」と言う。結衣は動揺して陽一に「聞いた?広、今初めてじゃないって、、、」というと陽一は「冗談だろ。」と気にしない。靴を履いている広に結衣は「雨合羽を持って行く?途中で雨振ってきたら困るでしょ。」と言うが、広は「降っても平気。何かあったら何とかするから。慣れてるから。」と言う。

結衣 「慣れてるの?女の子と2人で出かけた事あるんだ?」

広  「当然だろ。行ってきます!」

と言って出て行く。結衣はモヤモヤする。そして木野に電話する。

結衣 「今話して大丈夫ですか?」

木野 「大丈夫ですよ。今ちょうど食事休憩で。ちょっと待ってください、今お弁当を、、、」

結衣 「木野さんお弁当なんですか?」

木野 「ええ。あっ、僕が作ったんじゃないですよ。誰って?誰が作ったお弁当かはその、、、」

と買ってきたお弁当を見つめる木野。

木野 「誰とは言えませんが、、、」

結衣 「木野さんにもそういうお相手がいらっしゃるんですね。じゃ、ちょっと聞きやすいかな。広が以前にも彼女がいたみたいなことを言ってたんですけど、そうなんですか?」

木野 「えっ、いや、施設にいた頃はあり得ないですよ。聞いたことないです。その前はわかりませんけど。いや、あり得るか。どうだろ、あってもおかしくない気もしますけど。」

結衣 「あー、ありがとうございました。すみません。」

と結衣は電話を切る。そして再び考え込む。

意を決して今度はまた他の人に電話をする。

 

喫茶店で誰かを待つ結衣。そこに現れたのは麻子だった。

結衣 「すみません。思わず電話してしまいました。」

麻子 「私も最後に連絡しようと思ってました。」

結衣 「最後。」

麻子 「東京を離れることにしました。正直言って気持ちの整理がついたわけではないです。でも、ショックを受けると思ったのは私の思い込みだったんだなって。あの子はもう私のことなんか何とも思ってないんだなって。それに、女の子と学校サボったりしてるなんて。なんだか急にあの子が遠くに行ってしまったんだなって。だから、とりあえず東京を離れて、新しい仕事に就いて、少しずつ気持ちを整理していこうと思います。私の連絡先を削除してください。私も2人の連絡先削除します。」

結衣 「もちろんです。」

麻子 「最後に聞きたいことあったら教えますよ。これからの為に、あの子のことで知っておきたいことないですか?あの子のことだったら私何でも知ってるから。風邪を引いている時ここ(おでこ)よりここ(鎖骨の辺り)を冷やした方が良いです。魚は煮るより焼いた方が好き。走るのはあんまり得意じゃなくて、小学校のマラソン大会があった時も。。。」

聞いていた結衣はだんだん腹が立ってくる。

結衣 「結構です。どうやって子育てしようが私の勝手です。」

麻子 「でもー」

結衣 「でもじゃなくて。失礼します。」

と言い結衣は帰りかけるが、思い直し、再び戻って麻子の隣に座る。

結衣 「一つありました。実はお聞きしたいことがあって、来たんでした。」

麻子 「何でしょう。」

結衣 「彼女ってどんな子でした?」

麻子 「はぁ?」

結衣 「前にも付き合ってた子がいたでしょ。あなたと一緒に暮らしてた頃。」

麻子 「まさか。」

結衣 「今時の子供ですからね。あの子のこと何でも知ってるんじゃないんですか。」

麻子 「いや、だってそんな、、、あの子そんなこと言ってました?」

結衣 「当然!って言ってました。」

麻子 「当然?」

結衣 「気付かなかったんですか?」

麻子 「全然。その手のことは私、、、。」

結衣 「知らなかったんだ。なぁんだ。」

麻子 「あなたは知ってたんですか?」

結衣 「あたしは、だって。」

麻子 「こないだのこと。一緒にいた女の子のこと。」

反論できない結衣。

麻子 「気付かなかったんですね。」

結衣 「母親だから何でも知ってると思ったら大間違いです。」

麻子 「知らなかったんだ。」

結衣 「今は知ってます!里中モモっていうんです。」

麻子 「会ったんですか??」

結衣 「会いましたよ。」

麻子 「どういう子でした?可愛かった?可愛くなかった?」

結衣 「可愛いか、可愛くないかで言うと、そりゃ、、、」

麻子 「可愛いのかぁ。」

結衣 「年上だから。」

麻子 「年上?」

結衣 「可愛いって言うより、綺麗なお姉さんって感じ?」

麻子 「何それ。もうやだぁ。」

と言い、深いため息をつき、落ち込む麻子。

その姿を見て自分と同じ思いを感じたのか、結衣は優しい表情になる。

結衣 「でも、、、嬉しそうで。今日一緒に花火大会に行ってるんです。今頃仲良く見てるんじゃないかな。」

結衣 「じゃ、私はこれで失礼します。奥能登でしたっけ?」

麻子 「そうです。奥能登の小さな旅館。」

結衣 「富山県?」

麻子 「石川県」

「じゃ」「さよなら」と2人はお互い言葉を交わし、結衣は呼んだのは私だから、と伝票を持ってその場を後にする。

 

その帰り道、結衣は麻子の連絡先を消去する。空には花火が鳴り響く。

 

家で広を待つ2人。時計は9時43分を指している。

陽一  「何やってるんだあいつ。」

結衣  「既読スルー。」

陽一  「8時厳守って言ったのに。」

結衣  「もう一回かけてみる。」

陽一  「出ないだろ。」

結衣  「でももう一回。」

陽一  「女の子と一緒にいる時に親からの電話なんて出ないよ。」

結衣  「えっ?そういうもの?」

陽一  「ちょっと表見てくる。」

結衣  「私も。」

陽一  「仕方ないなぁ。駅まで行ってくるか。入れ違いになるかもしれないから、結衣は待ってて。」

結衣  「わかった。気をつけてね。」

その時広は「ただいま」と帰ってくる。

結衣  「どうしたの?何やってたの?」

広     「すっげー混んでてさぁ。」

結衣 「電車?」

広  「電車もそうだけど、途中の道もすっげーいっぱい人がいて、もうさぁ、花火見に行ってるのか人を見に行ってるのかわかんないく。」

陽一 「ふざけるな!!どういうつもりだ!!何時だと思ってるんだ!女の子を遅くまで連れ回して。お前男だろ!彼女の親御さんの気持ち考えてるのか?」

と、語気を荒げる。

広  「だってー」

陽一 「だってじゃない!調子に乗るな!」

 

「申し訳ありませんでした。遅くまで連れ回してしまって。」とモモの親に電話で謝罪する結衣。広は陽一と結衣にモモとのことを話す。

「最初に話しかけてきたのは向こうで、昔飼ってた犬にそっくりって言われて、向こうは高校でこっちは中学だけど、通学路が一緒だから何となくしゃべる様になって。明るくて話しやすいし、いつだったかな、自分の話をしたんだ。三歳の時に誘拐されたとか、その後のことも。そしたら『で?』『だから何?』って。引かない?って聞いたら『広ちゃんは広ちゃんでしょ。私は小学校の頃めっちゃいじめられてた。理由があるとしたら帰国子女。でも関係ないでしょ。私が以前どうであろうと。今広ちゃんの目の前にいる私は私。でしょ?』そして『可愛い〜!飼ってた犬にそっくり!』って言われた。俺自分がすっごい重いもの背負ってる気分でいたけど、そういうの、自分次第っていうか、なんかさ、気持ちが軽くなったんだよね。」

結衣 「そっかぁ。だから2年前の門倉さんの話した時『で?』って言ったのね。」

広  「あー、そうかも。」

結衣 「彼女の影響だったかぁ。」

陽一 「で?学校サボったのは?」

広  「それは、、、向こうが友達と揉めたみたいで。学校行きたくないって言うから。」

陽一 「彼女のサボりに付き合ったのか?」

広  「落ち込んでたから、側についててあげようかなぁ、って。」

陽一 「違うー!今それをやったらずーっと犬だぞ!犬扱いだぞ。」

広  「お父さん俺のこと馬鹿にしてるだろ。」

陽一 「違うよ、馬鹿にされない様にアドバイスをー」

結衣 「いいからもうお風呂入っちゃって!」

陽一・広 「はーい。」

陽一 「一緒に入るか。で、何犬か教えて。」

広  「絶対馬鹿にしてる!」

結衣 「広、数学コンテストの勉強はちゃんとしなきゃだよ。」

広  「わかってるって。でもその前にマラソン大会あるけどね。あっ、来る?」

陽一 「まずいなそれ。僕、人生でマラソン大会完走したことない。」

結衣 「陽ちゃんの血受け継いでるとやばいね。」

陽一 「絶対受け継いでるよー。かわいそうに、広。」

広  「いや、俺完走するよ!つーか、入賞狙うから。」

結衣 「本当?」

広  「見に来る?いいよ、来ても。机の上にお知らせ置いてあるから、忘れない様にお母さん貼っといて。」

結衣 「うん!」

 

結衣はマラソン大会のお便りを見ながら、麻子が広は走るのが得意じゃないと言っていたことを思い出した。

 

一緒にお風呂に入る陽一と広。

広      「東京を?」

陽一   「そうだ、東京を離れるんだ。」

広  「つーか、ママってまだ東京に居たんだ。あっ、ママじゃなくて門倉さん。」

陽一 「連絡取ってないの?」

広  「取ってない。」

陽一 「お母さんは、もう二度と会うことはないって言ってた。」

広  「へぇー。」

陽一 「向こうはどうかな。広はどうかな。」

広  「俺?なんか、最後に会ったのすごい昔な気がする。行きなさいって(突き放された時)。あん時わけわかんなかった。」

陽一 「そっか。今は?」

広  「今はそうだな、、、大人にも色々事情があるんだろうなって。あのさぁ、頼みがあるんだけど。」

 

莉沙子は自由が利く様になったので、ワールドツアーにぜひ参加して欲しいと頼まれる。メンバーもみんな莉沙子を指名していると。でも、半年の長丁場だと聞き、莉沙子は喜びながらも、家族の了解を取ってから返事をすると言う。

すぐに太治に電話する莉沙子。半年間2人で平気か聞くと、平気だ、任せろ、と太治は言う。太治は失恋した繭を励まそうと、繭にあげるワンピースをネットで探していた。失恋のことを知らない莉沙子は驚いて、「いつ?誰と?」と聞く。太治はその質問には答えず、「そっちは仕事していればいいから。繭のことは俺に任せて。」と言う。

 

電話を切った莉沙子はワールドツアーの参加を断りに行く。

 

その夜帰った莉沙子は、テーブルの上に『ママへ』と書いた紙が貼ってある白い箱を見つける。開けてみると、ケーキと『ママへ ワールドツアー参加おめでとう 繭より』というメッセージカートが入っていた。そして、キッチンに隠れていた太治と繭が「おめでとう!」と言いながらクラッカーを鳴らし、驚く莉沙子。そして「半年間頑張ってね!こっちはパパと一緒に頑張るから。」と繭も太治も笑顔で応援する。そんな2人に莉沙子は「ありがとう。」と言い、複雑な気持ちで再びメッセージカードを見つめる。

 

陽一と広は麻子に会いに行くといい、結衣は驚く。見送りというよりお母さん(結衣)の為に会ってくる、と言う広。

陽一 「広が自分から言い出したんだ。」

広  「知ってるよ!お母さんが門倉さんのことで困ってたこと。俺にはもうお母さんがいる。お父さんもいる。ばあばもみんないる。だから門倉さんはもういいんだ。俺がきちんとそう言えば、俺から言えば、うちにはもう来ないよ。はっきり言ってくる。」

結衣 「そんなこと、、、。」

広  「俺も引きずりたくないし。」

結衣 「いいの?」

広  「さよならしてくる。ケジメを付けてくる。」

結衣と陽一は顔を見合わせ、頷き合う。

結衣 「わかった。広がそう思うなら行ってらっしゃい。」

広  「行ってくる。任せて!」

陽一と広は出て行く。ちょっと心配そうに結衣は見送る。

 

 

神奈川西児童相談所の談話室にて、木野と会う麻子。

木野 「そうですか。」

麻子 「じゃ、私はこれで。」

木野 「わざわざご報告ありがとうございました。」

麻子 「お世話になりました。」

一礼をして出て行こうとする麻子に木野が声をかける。

木野 「あの、なう先輩って呼ばれている男の子がいるんですけど、母親との関係が上手くいってなくて気になってたんですけど、昨日電話があって、調理師の道に進みたいって。自分で進路を決めて、自分で願書を取り寄せて、来年には自立してアパートを借りるって。何を言いたいかというと、子供って、子供だと思っていたらいつの間にか成長してて、ビックリさせられます。誰でもそうじゃないかな、って。知らない間に彼女が出来たりとか、あっという間に離れて行く。」

麻子 「そうですね。」

木野 「そうですよ。じゃ、お元気で。さよなら。」

麻子 「はい、木野さんもお元気で。失礼します。」

2人は共に頭を下げ、麻子は出て行く。

 

麻子はそのまま高速バス乗り場へ。そこには広と陽一が待っていた。麻子は驚く。

広  「よっ!」

麻子 「えっ、、、よっ!」

広  「久しぶりだね。」

麻子 「そうだね。久しぶり。」

麻子 「聞いたよ。2年前のこと。人刺しちゃダメでしょ。刑務所にいたなんてさぁ、最悪。」

麻子は頷き、俯く。

陽一 「すみません、突然。」

麻子 「いえ。」

陽一 「本人が門倉さんに直接お別れを言いたいって言うんで連れてきました。琴音ちゃんがここ教えてくれて。」

広  「門倉さん、今まで育ててくれてありがとうございました。もう俺は大丈夫なんで、門倉さんももう俺のことは気にしないでください。俺は俺で頑張るし、門倉さんも、、、無理無理!『門倉さん』って無理!やっぱママはママだよ。ママ、頑張って。元気でね、ママ。」

麻子は目に涙をいっぱい溜め俯く。

広  「えっ、何で泣く?泣かないでよ。」

 

(家では洗濯物を畳みながら不安そうにため息をつく結衣。)

 

広  「ママ?」

麻子は涙を拭い顔を上げる。

麻子 「伝えてくれる?本当のお母さんに、結衣さんに伝えてください。どんなに償っても償いきれないことをしてしまった。本当に申し訳ありません、と。それから、それから、、、広を産んでくれてありがとうございます、そう伝えてください。会えて良かった。会いにきてくれてありがとう。」

広  「おう。でも、これで最後だからね。」

麻子 「うん。」

広  「じゃ、さよなら。」

麻子 「さよなら。」

広  「元気でね。」

麻子 「元気で。」

陽一と頷き合う広。陽一は麻子に一礼し、広と共にその場を後にする。

帰って行く広に麻子は「広!」と呼び止め、立ち止まる広達の元へ再び歩み寄る。

麻子は手を差し出し、広は麻子と握手をし、一瞬泣きそうな顔をする。そして無言で別れて行く。

 

帰り道、陽一と黙って歩く広。突然、「あのさぁ、お母さんって2人いちゃいけないのかな?」と言い、陽一は驚き言葉に詰まる。

 

家ではマラソン大会のお便りを見つめる結衣。そこに電話が鳴る。木野からだった。

「僕の所にも報告に来ました。門倉さん、東京を離れるんですね。これでようやく、、、こんな言い方はあれですが、唯一無二の母親になれましたね。良かったですね。」

木野の言葉に素直に喜べない結衣。そして、すぐ家を出てタクシーを拾う。

石川行きの高速バスに乗り込む麻子。

結衣はタクシーを降りると、走って高速バス乗り場へ。

バスの中で麻子は広の連絡先と画像を消去する。そして結衣の連絡先も。

バスの中に麻子の姿を見つけた結衣は急いでバスに駆け寄るが、バスは発車。「門倉さん!麻子さん!」と叫びながら走ってバスを追いかける結衣。

 

ここでエンディングへ。

 

《エンディングの後の次回予告》

広  「来週はいよいよ最終回。」

結衣 「私たちはこれからどんな家族になっていくのでしょうか。」

陽一 「そして、広と2人の母親の関係に新たな展開が待ってます。」

 

管理人の感想

今回は広の恋を巡ったお話でしたね。そして、ラストの広と麻子の別れのシーンがとても感動的でした。

次回が最終回!広にとって一番幸せな形で終わる様に祈るばかり!!

広がマラソン大会で完走できるのかもちょっと気になります。笑

 

後からでも見れる動画メディア紹介

http://cu.ntv.co.jp/haha_09/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です