BORDER 最終話「越境」2014年6月5日放送

 

 

今回の出演キャスト

主人公:石川安吾小栗旬

警視庁捜査一課第二強行犯捜査・殺人犯捜査第4係第一班の刑事。ある銃撃事件で頭部に被弾。銃弾は頭部に残ったまま、脳底動脈近くに留まっており、そのために脳の未知の領域が覚醒したのか、死体の残留思念と交信するという特殊能力を身につける。事件の被害者である死者から証言を聞き出し、事件を解決しようと奔走。だが、正義を貫こうとする思いが強まれば強まるほど、証拠ねつ造など裏工作に手を染めることに…。己では歯止めが利かないほど、正義と悪の境界線で大きく揺れ動く。

市倉卓司/遠藤憲一

警視庁捜査一課第二強行犯捜査・殺人犯捜査第4係第一班の班長で、石川(小栗旬)の上司。子どものころに見た正義のヒーローものへの憧れを捨てきれず、警察官になった。嘘を見抜くのが得意。石川の能力を買っており、独断専行型の捜査も半ば放任している。ピュアな正義感が根底にある一方で、清濁併せ呑む捜査をする。

立花雄馬/青木崇高

警視庁捜査一課第二強行犯捜査・殺人犯捜査第4係第一班の刑事。強すぎる正義感をもてあまし、融通が利かない一面も。同僚である石川(小栗旬)に強いライバル心を抱いていたが、捜査を共にするうちに絆が生まれていった。

比嘉ミカ/波瑠

警視庁刑事部の特別検視官。類まれなる観察眼と直観力を持っている。鑑識の技術と認知科学を併用した捜査を行う。科学を信奉しているが、科学では解明できない領域があることも認めている。石川(小栗旬)の特殊能力に薄々気づくと同時に、刑事としての石川を認め、しばしば単独で捜査する彼に協力する。

情報屋:赤井/古田新太

市倉が使っている情報屋。石川の慎重さを評価し秘密裏に依頼を受ける。穏やかな物腰だが強かで考えを読ませない人物。石川の希望に応えてサイモンとガーファンクル、スズキを紹介する。サイモンとガーファンクルとは前職からの付き合いで腕を買っている。新橋の「立ち飲み屋 情」の実質オーナー。大学卒業後は外資系の大手金融機関を転々としていた。職をやめてからは情報や人脈を使い、投資で儲けていた。

便利屋:スズキ/滝藤賢一

石川(小栗旬)に何か特別なものを感じ、協力するようになった便利屋。変装術に長け、盗聴やピッキングなど、裏の技術を身につけている。汚い世界を見すぎて、厭世的になりつつある。変装には毎回テーマがあり具体的に設定がある。

サイモン/浜野謙太

ガーファンクルとタッグを組むハッカー。表向きは「S&G行政書士事務所」を開き、裏でハッカー業を行っている。大人を信用していないが、赤井の紹介で知り合った石川(小栗旬)には警戒心を解いている。

ガーファンクル/野間口徹

サイモンとタッグを組む天才型ハッカー。幼少期のIQテストで180を記録。表向きは「S&G行政書士事務所」を営むも、裏でハッカー業を行っている。大人のことは信用していないが、赤井の紹介で知り合った石川(小栗旬)には警戒心を解いている。

安藤周夫/大森南朋

一見善良そうに見える顔の裏で、“絶対的な悪”を体現する犯罪者。あるとき、8歳の子どもを誘拐して殺害。その事件を追う石川(小栗旬)と対峙した。石川に、究極の正義と悪を問い、極限の選択を迫り続ける。。

 

「BORDER」第9話【最終話】のネタバレ

 

朝ご飯を食べる1人の男(大森南朋)。日曜日だが仕事をし、「スター玩具」と書かれた段ボールを車に積み込む。車にはボンベが一本詰んであり、子供達に風船を作ってあげるための物だと説明する。そして段ボール箱をショッピングセンターに運び込む。

 

おもちゃ屋さんの前でおもちゃを買ってとせがむ男の子。母親は今度ねと言い、男の子の手を引く。オシッコしたいと男の子は言い、1人でトイレに行く。手を洗う男の子の隣で手を洗う男。男が脇に置いたのはさっき男の子が欲しがっていたおもちゃだった。

おもちゃをじっと見つめる男の子に、欲しいのか?と男は聞く。車に見本があるからあげようか?と言い、男の子の名前を聞く。「天川弘志」と男の子は答える。男が「おじさん、見本をあげたのバレると怒られるから、人に見つからないように駐車場までこっそり付いてきてくれる?」と男の子に聞くと、男の子は「うん。」と答え、男の後をついて行く。

 

男の子の帰りが遅いので、必死に探す母親。男の子はおもちゃを受けとった瞬間車の中に引き込まれ、男にガスのようなものを嗅がされ、意識を失う。

 

男の子の家で警察が待機する。自分が目を離したのが原因だと自分を責める母親。

 

翌日、男の子は公園のベンチに寝かされた状態で発見された。

 

・・・『僕は「天川弘志」。お家に帰りたい。』・・・

 

現場の公園に来た石川(小栗旬)、立花(青木崇高)、市倉(遠藤憲一)。公園には防犯カメラは設置されていない。そして誘拐場所から40キロ近く離れているが、人目につかない場所にあるので、犯人は最初からここに遺棄するつもりだったのではと考える。

 

比嘉(波瑠)は死後20時間が経過している、つまり亡くなったのは昨日の夕方だと言う。誘拐されたのは昨日の午後1時だから、さらわれて数時間で殺された事になる。死因は舌骨の骨折による窒息死。小さい棒状の物か親指を乗せて一気に折ったと見られ、医学的知識を持った人物による犯行だと言う。

 

 

石川の頭を心配する比嘉に石川は、至って正常で今の所何ともない、と答える。その時、亡くなった被害者の男の子が石川の前に現れる。

 

ショッピングセンターの駐車場に設置されている防犯カメラ20台には被害者の男の子は映っておらず、目撃者もいない。犯人は防犯カメラの位置を熟知しているので、従業員か出入りの業者を中心に捜査する。

 

比嘉は解剖をする。特殊ライトをあてると、男の子の胸の辺りにアルファベットのAの文字が浮かび上がった。

 

石川は駐車場に被害者の男の子がいるのを見つけ、自分はちょっとこの辺を廻るので先に行ってて欲しいと立花達に言う。石川は男の子に「怖かったかい?お兄さんが弘志君を怖い目にあわせたやつを絶対捕まえてやる。」と話しかける。犯人はどんな人だった?と聞くと、男の子は、おもちゃ屋のお兄さんでおもちゃをくれるって言ったからついて行っちゃった、と答える。他に覚えている事はある?と聞くと、すごく優しそうでいい人に見えた、と言う。

 

両親が遺体と対面する。母親はごめんなさいと謝りながら泣き崩れる。その前で男の子も泣いている。それを見て辛そうな顔をする石川。

 

比嘉から、遺体には性的暴行の跡もなく、目立った外傷もなかった、と報告がある。胸の辺りに書かれたAの文字は唾液で書かれたものだった。唾液は男の子のものとは一致しなかったので、犯人のものと思われる、と。検査の結果、非分泌型の唾液、つまり、血液型もDNAも検出できないものだった。犯人はおそらくそれをわかって書いた。そして、普通遺体を運ぶ時は運ぶ側の汗や皮脂、微細な細胞などが遺体の皮膚に付着するが、それらも一切残っていなかった。つまり、犯人は証拠を残さぬ様細心の注意を払って犯行に及んでいる、と比嘉は言う。

 

石川はハッカーのサイモン(浜野謙太)とガーファンクル(野間口徹)のところへ行く。調べると、ショッピングモールに出入りしていたおもちゃの卸業者は2つ。スター玩具社とマルカワ玩具だとわかる。マルカワはガチャガチャとか食玩がメインだから、スター玩具社だと目星を付ける。またスター玩具社は、誘拐のあった1時間前に搬入の記録も残っているという。石川は2人に謝礼を渡そうとするが、今回はいらないのでそのかわり絶対に犯人を捕まえて欲しい、と2人は言う。

 

スター玩具社に話を聞きに行く石川。日曜日にショッピングモールに搬入作業をしたのは安藤(大森南朋)という者で、昨日突然辞表を提出して辞めてしまった、と言われる。石川は安藤の荷物を確認する。そして安藤のコーヒーカップを押収する。比嘉に検査を依頼すると、コーヒーカップの唾液は非分泌型だった。非分泌型の人は人口の約3分の1いるから先走らない様に、と比嘉に釘を刺される。行こうとする石川を比嘉は引き止める。

比嘉 「もしかして、何かおかしなものが見えてる?」

石川 「おかしなものって何だよ。」

比嘉 「例えば、、、死者とか?」

石川 「科学者がそんな事言っていいのかよ。」

比嘉 「そこら辺の頭でっかちと一緒にしないで。この世界にはあり得ない事なんてないの。それを実証して行くのが科学者の仕事よ。」

石川 「もし見えてたとしたら、どうだって言うんだよ。」

比嘉 「もしそうだとしたら、頭の中の弾が原因の可能性が高いわ。それに、見えてはいけないものを見続けているんだから相当心にダメージが加わっているはず。ねえ、どうなの?」

石川 「今はこの事件に集中したいんだ。事件が解決したらきちんと話すよ。」

比嘉 「わかった。」

石川 「心配してくれてありがとう。」

比嘉 「この前にも言ったけど、痛みに支配されないで。」

石川 「気をつけるよ。」

 

スーツ姿で出かける安藤。家の前で石川が待ち構えていた。石川が、日曜日にショッピングセンターに行っていたかと聞くと、仕事で行っていた、と安藤は答える。誘拐されて殺された男の子を見なかったか、と聞くと、残念ながら見ていない、と答える。そして安藤は、求職活動中で忙しいから、と言い歩いて行く。その先には悔しそうな顔をして俯く被害者の男の子が立っていた。

 

男の子の家で再び捜査をする石川。石川はベッドの上にあった男の子の毛髪を採取する。そして便利屋のスズキ(滝藤賢一)にそれを渡す。しんどい仕事になるがよろしく頼む、と言い、謝礼を渡そうとするが、スズキは今回はいらないと断る。

 

安藤は自宅を出ると、ドアに誰かが開けたらわかるように仕掛けをして出かけて行く。仕掛けには気付かず、ドアを開けて家に入るスズキ。そしてソファーの隙間に被害者の毛髪を仕込む。

 

家に帰ってきて、ドアの前で誰かが家に入った事を確認する安藤。

 

翌日、安藤が家を出ると石川が待っていた。そして、石川は自分の頭を壁に打ち付け、公務執行妨害と言い、安藤を逮捕する。

 

石川は、話を聞きたいと言ったら向こうから手を出してきた、と市倉に嘘をつく。そもそも何であいつに目を付けたのか?と聞かれ、子供の興味を引けそうなおもちゃ屋を調べていて辿り着いた、と石川は答える。そして、安藤の唾液が非分泌型である事を報告する。そこへ、令状がおりたのでガサ入れ出来る、と立花が駆け込んでくる。家宅捜索の令状がおりた事を安藤に報告する石川。それを聞いても安藤は全く動じなかった。

 

会議室で待っている石川の所に市倉と立花が戻ってくる。安藤の部屋からは被害者の男の子の遺留物どころか髪の毛一本も見つからなかったと言う。呆然とする石川。逮捕の前に一度接触した事で警戒されたのかもしれない、と話す。被害者と接触した証拠も何もないのでやつをこのまま留置しておく事は出来ない、それに石川の捜査手法に上が強い疑念を抱いている、これまで大目に見てきたが、これ以上無茶な事をするな、と市倉は諭す。それを無視して出て行こうとする石川に「お前の事思って言っているんだ!」市倉は叫ぶ。

 

鋭い目つきで安藤を待ち伏せしている石川。

安藤 「謝罪ならいいですよ。」

石川 「お前がやったんだろ。」

安藤 「はい。そうやって聞いてくれればいつでも正直に答えたのに。まぁ、私がやった証拠は何もないですけどね。どうやってあなたが私に辿り着いたのかいまいち良くわかりませんが、なんにせよ、あなたは間違っていなかった。」

石川 「何が目的だ。どうやったらあんな無垢な子供を殺せる?」

安藤 「あなたがあの子を無垢だと思ったのはなぜですか?私に殺されたからでしょう。あの平凡な子が無垢な存在になれたのは私のお陰ですよ。言うなれば私があの子に光を与えてやったんです。それに世の親達にモラルを与えてもやりました。しばらくの間は私のお陰で、買い物の時我が子の手を離す親が減る事でしょう。闇があってこそ光があるんです。悪が存在してこそ正義も存在する。どちらか一方しかない世界なんてつまらないですよ。そうでしょう?私がいるからこそあなたは輝けるんです。もしそれが気に入らないなら、あなたもこちら側に来るといい。髪の毛を置くなんてみみっちい真似をしないで私を直接罰すればいい。それは出来ないでしょ?でも、それが正しいんです。私が絶対的な悪を成す、そしてあなたは中途半端な正義を実践しようとして常に私に敗北をする。これからも正しい関係でいましょう。」

石川 「いつから悪に染まった?何がきっかけだ?」

安藤 「さぁ、いつからでしょう。ところで、あなたが正義に染まったのはいつですか?何がきっかけですか?・・・わかったでしょ。実は正義や悪に大した違いはないんです。あるとしたら実際に行なう者の違いだけです。つまり、私が有能で、あなたが無能という事です。私は絶対的な悪を成す為に、これまで長い準備期間を費やして、あらゆる犯罪を研究し尽くしました。無能なあなたに容易く捕まる訳にはいかないんです。」

何も言葉が出ない石川。

安藤 「ちなみにアルファベットのAは私、安藤の頭文字です。これからも私は色々な遺体にサインを書き続けるつもりです。誘拐殺人は完成したので、次は違う犯罪に手を染めようと思っています。その為の求職活動中なので、これ以上邪魔をしないでくださいね。」

石川は安藤が去ったあと、やっと息がつけ、息苦しさを覚える。

 

情報屋の赤井(古田新太)の所を訪れる石川。絶対的な悪はこの世に存在すると思うか?と赤井に聞く。

赤井 「存在するでしょうね。これまでの人生で何度か絶対的な悪と呼べるようなものを見てきました。」

石川 「それに勝つ為にはどうすればいい?」

赤井 「私ならそもそも戦いません。絶対的な悪に勝つ為には、絶対的な正義にならなくてはいけない。つまり、コインの裏表になるという事です。端から見れば同じものに見えるという事です。」

石川 「じゃ、どうすればいい?黙って見逃すのか?」

赤井 「相手がしくじるのを待つのです。じっくり、腰を据えて。その間に戦う知恵も必ず増えてきます。とにかく、焦らない事です。」

石川 「その間に、いくつもの命が消えていってもか?」

赤井 「消えて行くものを必要以上に儚んではいけません。あなたの魂がすり減ってしまいますよ。運命だと思って諦めるんです。」

石川 「俺が撃たれて生き返ったのも運命だろ。だとするとそれに従わなきゃならない。ありがとう。」

赤井 「石川さん、近々、ビジネスは抜きにして、酒を酌み交わしましょう。」

石川 「あぁ、楽しみにしてるよ。」

 

 

比嘉の携帯が鳴る。立花からで、石川が合流する時間になっても現れない、電話にも出ない、と言う。比嘉は心当たりを探してみる、と言う。

 

男の子の葬儀場に石川はいた。棺桶の蓋が閉められ、火葬場の扉が開く。母親は棺桶にしがみついて泣く。その時被害者の男の子が石川の前に現れて、手を振りながら「ありがとう。」と言う。比嘉も火葬場に来て石川を見つける。石川は無念さと悔しさでいっぱいになる。

そして葬儀場を出て走り出す。比嘉も追いかけるが、石川は何かに取り憑かれたかの様に一心不乱に走って行く。

そしてそのまま安藤の家の前に行き、安藤が出て来るとそのマンションの屋上まで引きずって行く。屋上につくと縁のところまで連れて行き、落とそうとする。そして「怖いか?」と安藤に聞く。

 

石川 「死にたくなかったら自白しろ。証拠を差し出せ!!」

と鋭い目つきで感情的に安藤を脅す。安藤はチラッと下を見て、「本当に何もわかっていないですよ、あなたは。」と言う。

安藤 「あなたは正義の為なら死ねると思っているでしょう。私も同じです。悪を成す為なら死ねると思っています。でも、あなたと私には決定的な違いがあります。私は悪を成す為なら人を殺せます。でも、あなたは殺せないでしょう。この差は永遠に縮まらないんです。それがわかったんなら、もう私の事は諦めて、さっさとこそ泥でも捕まえに行ってください。」

石川は苦悩の表情をしながら安藤を縁に押さえつけていた手を緩める。

安藤 「また私の勝ちですね。」

石川は再び安藤を押さえるとそのまま手を離し、安藤は屋上から下に落ちて行った。

 

屋上から下を見下ろす石川。自分のした事の恐ろしさに息が止まる。

そして後ろから安藤に肩を掴まれる。「こちらの世界へようこそ。」

石川は目をとじ涙を流し顔を歪める。

【完】

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